Windows 10 October 2018 Update(バージョン 1809)の新機能の一つに、「クリップボード履歴の管理」と「同一アカウント他端末間でのクリップボード共有」があります。
もともとクリップボードツールを使って履歴管理と定型文挿入をしていたので、OS標準が利用できればそれに越したことはありません。
それから、1809適用後、アクティブウィンドウの切替えルールが変わったようで、クリップボードツールが使いにくくなっていました。
この点も改善でき、便利な機能だと思っています。
Windows 10 October 2018 Update
標準機能でクリップボードを管理
ここでは、「クリップボード履歴の管理」のほうに重きを置いて書いていきます。
「同一アカウント他端末間でのクリップボード共有」は、別途いろいろいじいじしてから書きます。
便利な機能ですが、もう一歩踏み込んで欲しいというのが正直な感想です。
クリップボード
![ノートパソコン](https://i2.wp.com/wnkhs.net/wp-content/uploads/2018/07/pexels-photo-433639.jpeg?fit=300%2C200&ssl=1)
誤解を恐れずひとことで言ってしまうと、「『貼り付け』するデータを格納しておく場所」です。
つまり、右クリック等の「貼り付け」や、「Ctrl + V」を実行した場合に張り付くモノを置いておくところです。
ここには1つしかモノが置けません。
「コピー」や「切り取り」コマンド(「Ctrl + C」や「Ctrl + X」)を実行することで、前に置いてあったモノを捨てて、新しいモノで上書きします。
名称は、文房具の「クリップボード」をイメージしているからです。
管理できると便利
クリップボードには、1つのデータしか格納できません。
![ノート](https://i1.wp.com/wnkhs.net/wp-content/uploads/2017/07/notebook-011.jpg?fit=300%2C187&ssl=1)
文章を書いたり、データを整理したりしていると、同じものを何度もコピペすることがあります。
Aをコピペした後、Bをコピペして、またAをコピペする、といった具合です。
このとき、2度目のAのコピペ時には、Aのコピー元をいちいち取りに行かないといけません。
実際の操作は以下のようになります。
Aに移動
Aをコピー
貼り付け先に移動
ペースト
Bに移動
Bをコピー
貼り付け先に移動
ペースト
Aに移動
Aをコピー
貼り付け先に移動
ペースト
「Aに移動」が2回あります。
この例ではシンプルですが、実際にはこれが何度も起こるわけです。
すでに1度コピーしたのに。。手間です。。
そう考えた人は、クリップボードにコピーしたデータを履歴として管理することを思いつきました。
上の例で言えば、
Aに移動
Aをコピー
貼り付け先に移動
ペースト
Bに移動
Bをコピー
貼り付け先に移動
ペースト
履歴からAをコピー
貼り付け先に移動
ペースト
です。
移動の手間が省けています。短い同一文書内では大したことはありませんが、ウィンドウを跨いだり、サイトを跨いだりする場合は、省力化になります。
加えて、クリップボードツールに定型句として固定登録が可能なのです。
たとえば、メールアドレスや電話番号や住所を登録しておくと、かなり便利に使えます。
会社の電話番号など覚えられませんw
使ってみた
Windows 10 標準のクリップボードを使ってみます。
「バージョン1809」(October 2018 Update)が適用されている必要があります。
最初だけ、機能の有効化が必要です。
機能の有効化
初めて利用するときのみ、有効化の操作が必要です。
方法は、大きく2とおりです。
- 「設定」で機能を有効化
- いきなり操作
機能を有効化するだけなら、2がおすすめです。手間がいりません。
ちなみに、機能を無効化するためには、1でオフる操作になります。
パターン1: 設定から
以下の手順で、クリップボードの設定画面へ行き、オン/オフします。
Windows → 設定 → システム → クリップボード
パターン2: いきなり
コマンド入力すれば、クリップボードを有効化するか聞かれます。
いきなり「Windowsキー」と「V」をキーボードで同時に押してください。
![有効にする](https://i2.wp.com/wnkhs.net/wp-content/uploads/2018/11/1809-clopboard-001.png?fit=240%2C300&ssl=1)
クリップボードの履歴を表示できないメッセージと、機能を有効化するためのボタンが表示されます。
「有効にする」をクリックすれば、以降はこの機能を利用できます。
![空です](https://i0.wp.com/wnkhs.net/wp-content/uploads/2018/11/1809-clopboard-002.png?fit=240%2C300&ssl=1)
最初は空の状態です。
何かをコピーすれば、履歴が残ります。
操作方法
クリップボードの呼び出しは、「Windows + V」です。
貼り付けたい場所に移動(アクティブ化)後、コマンド操作です。
クリップボードを呼び出したら、カーソルキー上下で対象を選択し、Enterを押下すると対象が張り付きます。
![空です](https://i0.wp.com/wnkhs.net/wp-content/uploads/2018/11/1809-clopboard-002.png?fit=240%2C300&ssl=1)
貼り付けたくない時には、ESCです。
定型句として「ピン止め」できます。
おなじみのマークが対象の右側に表示されていますので、マウス操作(クリック)でオンとオフを切り替えます。
クリップボード履歴の個別クリアと全クリアが可能です。
ツールに書いてあるとおりの操作です。
PCの電源を切る(再起動も同じ)と、履歴がクリアされます。ピン止め分は残ります。
操作の違い
![キーボードとマウス](https://i0.wp.com/wnkhs.net/wp-content/uploads/2017/05/keyboard-010.jpg?fit=300%2C225&ssl=1)
もともと使っているクリップボードツールは、『!Mr.Clipboard』です。
プレーンテキストのみ、かなりの量の履歴を管理できます。(設定で変更可能)
定型文登録とキーボードショートカット登録に自由度があるので、気に入って使っています。
Windows 10 1809 適用後、クリップボードツールが使いにくくなりました。
原因は、アクティブウィンドウの変化です。
具体的な操作の違いを以下に記録しておきます。テキスト入力中の話です。
「1809」より前
ツールでクリップボードの内容を書き換えたら、操作が元のアクティブウィンドウに戻りました。
![時計](https://i1.wp.com/wnkhs.net/wp-content/uploads/2016/12/clock-01.jpg?fit=300%2C199&ssl=1)
- !Mr.Clipboard
- ツールを呼び出してクリップボードの中身を入れ替えたら、貼り付けコマンドを実行です。
- キーボードショートカットでツール呼び出し
- カーソルキー上下 + Enter かマウスクリックで対象決定
- 貼り付けコマンド(Ctrl + V)
キーボード操作だけで済むので、非常に楽でした。
「1809」適用後
ツールは使いにくくなりました。
代わりに、OSの標準機能が使えます。
![バーチャル](https://i0.wp.com/wnkhs.net/wp-content/uploads/2016/10/virtual-01.jpg?fit=300%2C212&ssl=1)
- !Mr.Clipboard
- 困っています。
- キーボードショートカットでツール呼び出し
- カーソルキー上下 + Enter かマウスクリックで対象決定
- 貼り付け対象位置をアクティブ化
- 貼り付けコマンド(Ctrl + V)
- Windows標準
- 貼り付け位置で操作します。
- キーボードショートカット(Windows + V)でツール呼び出し
- カーソルキー上下 + Enter かマウスクリックで対象決定
長年クリップボードツールを使っていて、キーボードショートカットにも慣れてしまっていて、「Windows + V」という発想に慣れません。。
さいごに
![キーボード](https://i0.wp.com/wnkhs.net/wp-content/uploads/2016/09/keyboard-02.jpg?fit=300%2C225&ssl=1)
まだ操作に慣れていませんが、上手く使いこなしていこうと思います。
ところで、履歴の画面は小さいのに複数行表示で、一度に2つしか見られません。
1行表示などにして、もっと多くの履歴を一度に視認したいです。
また、「履歴上端での上操作でリストの最初(下端)に行く」といったことができません。
履歴が長くなると、ピン止めしたものがかなり下の方になり、呼び出しが大変です。
これらの点が改善されると、今よりもずっと使いやすくなると思います。
「同一アカウント他端末間でのクリップボード共有」では、いろいろ状況が変わるので、別途まとめます。
ちなみに、現在は!Mr.Clipboardと併用しています。
!Mr.Clipboardで値を選択すると、OS標準の履歴ではダブって表示されることがあります。
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